永住権の発行通知であるConfirmation of Permanent Residence (COPR)を受け取ると、ついこちらも“おめでとうございます!”などというメールを送ってしまい、クライアントの方も永住権取得までの全プロセスが完了したような錯覚に陥いることがあります。しかしながら、COPRを有効化するための手続きを完了し最終的にPRカードが届くまでは、一連のプロセスは完了していないことを肝に銘じるべきかもしれません。今回はCOPR取得後の留意点についてです。
ランディング手続きの3つの方法
COPRが発行されると一定期間内に有効化、いわゆるランディングの手続きをとり、ステータスを一時滞在者から永住者に変更することが必要となります。この手続きは陸路ボーダー、空港のイミグレーション、国内オフィスのいずれかで行われます。最近はスパムを思わせるメールが移民局から流れてきて、それによると電話によるランディングというパイロットプロジェクトもあるようですが、まだ一般的ではないので怖くてお勧めできません。
それぞれ一長一短があり、陸路ボーダー、ナイアガラオフィスについてはクライアントからの最新情報によると、「火曜日から木曜日の8:00AMから5:00PMまでしか現在営業しておらず、8時ちょうどに着いた際には10組ほど待っていて手続き終了に2時間半かかった」ということです。以前はよくCOPRを受け取った日の週末にボーダーですぐにランディング手続きを完了するという形が多かったですが、現在はかなり事情が異なっています。事前にCBSAのウェブサイトをチェックする必要があります。
空港でのランディング手続きについては、直接空港に行ったら手続きをしてくれるという訳ではなく、一度カナダを出国し再入国しなければなりません。近日中に国外旅行を計画されている場合はこの方法が推奨されます。但し、IRCCのサイトのQ&Aでは、(Q)I have a Confirmation of Permanent Residence (CoPR) and will travel to Canada. Do I need an eTA? (A)No. If you are from a visa-exempt country and have a Confirmation of Permanent Residence document, you don’t need an eTA. と書かれていますが、羽田空港の某航空会社のチェックインカウンターではPRカードかeTAのない人は断固として搭乗を拒否されてしまった例もあるので注意が必要です。
最後に国内オフィスでランディングする方法ですが、アポイントの日時が指定されてしまうことが難点ですが、最近のクライアントの例(エトビコオフィス)ではリクエストから約1週間後には、発行日から1週間後の日時を指定した通知が送られてきたそうです。しかしながら、その通知には、“Failure to appear for this interview may be interpreted as evidence that you are no longer seeking permanent residence in Canada, and your file may be closed accordingly.”などと恐ろしいことが書かれているので指定日には必ず出頭するようにしましょう。クライアントからの情報では「指定時間に到着し40分ほどの待ち時間があったが、プロセス自体は15分程で終了した」ということです。
PRカードの受け取り
ランディング手続きが終了すると、あとはPRカードが送られてくるのを待つだけということになります。PRカードの現在のプロセスタイムは60日程度となっているので、PRカードなしで出国日を迎えないようにランディング後の国外外旅行の日程は余裕を持って計画した方がよいでしょう。さらに、移民局から突然、”PRカード用の写真のスペックがあっていないのでプロセスできない、再送してください。”などという通知が送られてくることがあります。こうなると、例えばランディング手続きの際に (PRカードはカナダ国外には郵送されないので)カナダ在住の友人宅などを居住先として申告し帰国してしまった場合の対応が厄介です。写真の裏にはスタジオ名とその住所を記載するよう指示されています。
永住権取得プロセスの中でCOPR発行はまさにゴール寸前と言えますが、永住権有効化とそれに続くPRカード取得までは、くれぐれも油断することなく手続きを完了して欲しいと思います。