今回は間違えて理解されていたり、誤用されることの多いビザ関連の用語について取り上げます。今後は正しく理解して使うようにしましょう。
ビジタービザとビジターステイタス
ビザ関連で最もよく混同されて使われているのはこの二つの用語だと思います。ビジタービザというのは、Temporary Resident Visaというカナダに入国するために必要な査証の別称で、日本はビザ免除国なので“ビジタービザ”を申請する必要はありません。移民局のコールセンターに“ビジタービザ”延長について尋ねた場合、エージェントはTemporary Resident Visaのことだと理解して、話が全く通じなくなる可能性があるので注意が必要です。日本人が延長申請しなくてはいけないのは“ビジタービザ”ではなく“ビジターステイタス”であり、“Visitor Record”と表示された一時滞在許可証になります。
国内申請と国外申請
“Applying for a study permit outside Canada”などと言われるとカナダ国外に居る人のための申請方法と理解されがちです。現在カナダ国内にいる場合は、一旦日本に帰国してから申請しなくてはいけないなどと誤解する人も出てくるでしょう。しかしながら、ここでは申請者がどこから申請するかは問題ではなく、移民局は審査オフィスがカナダ国内なのか国外なのかによって、“Inside”と“Outside”という用語を使い分けています。以前は一年以上のステータスを持つカナダ在住者がファミリークラス(スポンサーシップ)を“国外申請”すると、USバッファロー領事館で審査されていましたが、近年業務がオタワに移管された後もなお“国外申請”という言葉が使われていたので混乱を助長させる原因となっていました。
アウト・オブ・ステイタス
カナダ国内滞在者が滞在ステイタスを失うと、その失効日から90日以内であればステイタスの回復を申請することができます。ではステイタス回復の申請結果を待つ間のステイタスは何になるのでしょうか。この期間は“アウト・オブ・ステイタス”と呼ばれ、文字どおり中途半端な状態に置かれることになります。就学や就労ができないのはもちろんですが、ビジターステイタスでもないため不法滞在ではないかと誤解する人もいるようです。移民法をよく知らない警察官から尋問を受け、ステイタスがないために不法滞在者に対するようなひどい扱いを受けた人の話を聞いたこともあります。この間はひたすら家でおとなしくしているのが無難かもしれません。