最近のCBCニュースによると、トロント空港で学生ビザが発行された際に、通常記載されるはずの、20時間以内の就労を許可するという条件が抜けていたために、就労に必要なソーシャルインシュランスナンバー(SIN)の発行をサービスカナダが拒否。急遽コピーを付けて修正依頼したところ、2か月後に返信がありオリジナルの学生ビザが添付されていなかったという理由で再発行を移民局が拒否。オリジナルを送り直して、結局入国から9か月後にようやく学生ビザを再発行するという連絡を受けたということです。この間、この学生は当初生活費を稼ぐために予定していた就労ができず、あまりにストレスが溜まって、ナーバスブレークダウンになったようです。
パンデミック後の旅行客の急増で、パスポートオフィスには長蛇の列ができ、空港も大混雑、相次ぐフライトの遅滞、キャンセル、荷物の紛失が伝えられています。トロントピアソン空港は7月にthe worst airport in the world for delaysという不名誉なランキング1位となり、8月は若干改善されるもワースト2を維持したということです。このような状況下で、空港のイミグレーションでもこれまでに考えられないミスや不本意な対応が相次いで弊社にも報告されています。
まず、前述したようなドキュメントのミスが多発しています。女性のお客様なのにビザにmaleと書かれて発行された例、本来入るはずの雇用主の名前がブランクのまま発行された例。その場でクレームしたところ、一度発行されると修正できないと言われ、結局、備考欄に何とか雇用主の名前を入れてもらうことができたということです。(ちなみにこの方のケースは、エアカナダのエージェントに”あなたのケースは空港で直接申請できない”と言われて、一度家に帰されてしまった経緯もあります。)また、Labor Market Impact Assessment (LMIA) ベースの就労ビザを申請しているのに雇用主欄に、なぜかワーキングホリデーのように“Open”と書かれ、申請料も請求されなかったお客様は、結局国内で修正申請が必要になりました。
スタッフ不足のために慌てて採用したが、十分にトレーニングされていないのではと思われるケースも多発しています。最も酷かったのが、就労経験がSeveral Yearsに数か月足りないからと就労ビザの発行を拒否したオフィサー。このオフィサーによるとSeveral yearsは3年以上でなければならないということです。また、国外申請をすると発行許可レターに入国期限が記載されますが、それを発行される許可証の期限と勘違いして本来2年取得できるはずの就労ビザの期間を短くされてしまった例もあります。そうなると単なるタイポの修正ではなく判断業務を伴うため、移民局に本来払う必要のない費用を再度支払って再発行を依頼しなくてはなりません。
現在、国内で就労ビザの延長をすると166日かかると出ているので、一層のこと空港で直接申請して早くビザをゲットしようというケースは多いと思いますが、空港申請のリスクは以前より高くなっていると考えた方がよさそうです。