1. エクスプレスエントリーのドロー再開
ようやくバックログ(未審査ファイル)削減の目途がつき、昨年9月以降休止していた連邦政府の主要プログラム(連邦スキルドワーカー、スキルドトレード、カナダ経験クラス)のエクスプレスエントリーのドローが7月より再開予定。ポイントの高い候補者にインビテーションが発行されるだけでなく、人手不足の著しい特定の産業、職種、地域などをターゲットとした選定も行われる見込み。つまり、ポイントが多少低くてもそのターゲットに合致した職歴、学歴を持つ候補者にもチャンス到来。
2. 新しいパスウェイプログラムを計画
昨年行われた期間限定、定員制のTemporary Resident -Permanent Resident(TR-PR) パスウェイプログラムが今年も行われる予定。昨年はCOVID-19が原因で一時的に人材確保が急務となったエッセンシャルワーカーやヘルスケアワーカーを中心としたものだったが、今年は昨年とは異なるコンセプトで留学生、外国人一時就労者を対象に新しく申請要件が設定される見込み。日本に帰国するかどうか迷っている人には新たな判断材料。
3. カナダの職業分類(NOC)2021年バージョンの採用
現在採用されている2016年バージョンでは、スキルタイプ、スキルレベルによって職種が0,A,B,C,Dの5つ(エクスプレスエントリーではこのうち0,A ,Bが対象)に分類されていたが、2021年バージョンではこれが再編成され、Training, Education, Experience and Responsibilities (TEER) の0から5の6つに分類。エクスプレスエントリーはTEER0からTEER 3までが対象となり現在の0,A,B職種以外に以下の16職種が新たに追加。
- Payroll administrators;
- Dental assistants and dental laboratory assistants;
- Nurse aides, orderlies and patient service associates;
- Pharmacy technical assistants and pharmacy assistants;
- Elementary and secondary school teacher assistants;
- Sheriffs and bailiffs;
- Correctional service officers;
- By-law enforcement and other regulatory officers;
- Estheticians, electrologists and related occupations;
- Residential and commercial installers and servicers;
- Pest controllers and fumigators;
- Other repairers and servicers;
- Transport truck drivers;
- Bus drivers, subway operators and other transit operators;
- Heavy equipment operators; and
- Aircraft assemblers and aircraft assembly inspectors.
以下の3職種は除外。
- other performers;
- program leaders and instructors in recreation, sport and fitness; and
- tailors, dressmakers, furriers and milliners.
4. Post Graduation Work Permit 保持者のワークパーミット延長
2022年1月1日から12月31日の間に卒業後の就労ビザ(PGWP)が失効する場合には、18か月のオープンワークパーミットを申請できる措置が発表。
5. カナダ国内でビジターから就労ビザへの切り替え
COVID19の特別措置が2023年2月28日まで延長され、カナダでビジターのステータス保持者は雇用主指定の就労ビザをカナダ国内で申請することが可能。また、過去12か月の間に就労ビザを失効してビジターに切り替えた申請者は、就労ビザの発行前にAuthorizationを取得して、就労を開始できる。
6. 雇用主指定の就労ビザ取得ルールの緩和
シーズナルインダストリーにおける外国人就労者数の制限(CAP)の撤廃と就労期間の180日から270日への延長、Labour Market Impact Assessments (LMIAs)の有効期限の現行9か月から18カ月への延長、高賃金ストリームとグローバルタレントストリームの就労者の、就労ビザ最大取得年数の2年から3年への延長、宿泊・飲食業などの人手不足が顕著な7つのセクターにおいて職場における低賃金ポジションの外国人就労者比率の上限を1年間、現在の10%から30%に変更。その他の低賃金ポジションは、次の発表があるまで現行の10%から20%に変更。
7. ケベック州LMIAで簡易プロセス拡大
Labour Market Impact Assessment(LMIA)申請の際に必要な広告掲載などのリクルート活動が免除される職種が大幅に拡大。キャッシャー、サーバーなどのロースキルワーカーも対象。
簡易プロセスが適用される職種のリストはこちら
8. ファミリークラスのケーストラッカーがスタート
プロセス状況の問い合わせを少しでも減らすべく、政府は自己確認ツールの“PR tracker”を開発 。こちらからアクセスすれば、プロセスの進捗状況がより詳しく確認できる。
9. オンタリオ州(OINP)のForeign worker streamにパスした後の条件
今年2月の発表でこのストリームで州のサーティフィケートを発行された場合は、連邦申請を経て永住権が発行されるまで以下の条件が課せられる。
- オンタリオ州在住意思が変わらないこと
- 承認された雇用主の元で既に就労中の場合は、州審査で許可されたポジションで雇用されていること
- 州審査をパスした日から10か月以内に許可されたポジションで就労を開始していない場合は、OINP当局に報告すること
- 永住権発行まで許可されたポジションで雇用され続けていること
オンタリオ州のPNPの詳細はこちら
10. BC-PNPのプログラム改定
今年の3月にヘルスケアワーカーとチャイルドケアワーカーに対するニーズの高まりに対応するために、Skills Immigration streamにおいてこれらの職種を優先するようにプログラムを改定。
- テック、ヘルスケア、チェイルドケア等の優先職種経験者を対象とする特殊ドロー開始
- ヘルスケア・アシスタント、デンタルケア・アシスタントがセミスキルワーカーの職種として追加
- スキルタイプ0職種での就労者はInternational Graduates categoriesから申請できなくなり、Skilled Worker categoriesからの申請のみ可能
- ポイント計算からhigh demand occupations in the Labour Market Outlookのファクターが除外
- Skilled Worker categoriesにおける2年の就労経験はジョブオファーと関連していなくてもよくなった。
詳しい申請要件はこちら