弁護士とCICCのコンサルタントが提供できるサービスに違いはあるか?
カナダでは弁護士、コンサルタントともにクライアントの代理人として政府に対して移民申請の代行をすることが認められています。唯一の違いは、個人移民申請等で却下され連邦裁判所に訴訟を起こす場合です。法廷に立てるのは弁護士のみであり、コンサルタントにはその資格がありません。しかしながら、ファミリークラスでの申請却下や永住権の失効などに対して行われるIAD(Immigration Appeal Division)への不服申し立て、移民法違反の疑いでカナダ国境サービス局(CBSA)に拘束された外国人に対して行われるDetention ReviewやAdmisibility Hearingでは、コンサルタント、弁護士いずれも代理人になることが許可されています。
弁護士は移民法だけでなくあらゆる法律を扱うことができるので、必ずしも移民法のエキスパートであるとは限りません。例えば、コーポレートロイヤーのように様々な分野の法律を扱っている弁護士は、移民法のケースの取り扱い件数が限られていたり、頻繁に行われる移民法の改正やポリシー変更をフォローできていない場合もあるようです。さらに、ロースクールの提供するプログラムの中でも移民法はそのごく一部となっています。
一方、CICCのメンバーは必要に応じて専門の弁護士から協力を得ることがあります。例えば、弊社では犯罪歴のある申請者のケースで、Equivalency Evaluation(日本での罪状がカナダ犯罪法でどのレベルに相当するかの評価)が複雑なケースでは、犯罪法専門の弁護士に専門的助言を求めることがあります。また、前述のようにコンサルタントは法廷に立てないため不本意にケースを却下された場合は、移民弁護士の中でも特に訴訟で実績のある弁護士にケースを依頼する場合もあります。