今回はカナダ国内で一時滞在中の方がビジター、就労者、学生としての滞在ステータスを延長したり変更したりする際に知っておくべき「インプライドステータス」についてです。
カナダの一時滞在者がステータスの延長や変更をする際に避けて通れないのがインプライドステータスのルールです。インプライドステータスとは、一時滞在者が現在保有するステータスが失効する前に延長申請をしていれば、現在のステイタスが満期となった後も同じコンディションで合法的にカナダに滞在できるというものです。しかしながら、この一見単純なルールも都合よく解釈されたり誤解されやすいので注意が必要です。
まず同じステータスで滞在を延長する場合です。よくあるのがワーキングホリデービザ保有者が Labour Market Impact Assessment (LMIA) の必要なワークパーミットを申請する場合、いつまで合法的に働けるかという問題です。ワーキングホリデービザは1年限りどこででも働ける就労許可証ですが、このインプライドステータスが適用されます。したがって、ワーキングホリデービザに記載された条件に従っている限り、延長申請中も合法的に就労を続けることができます。では申請中にLMIAが却下された場合はどうなるのでしょうか。LMIAはステータスとは無関係なので、LMIA却下に続いてワークパーミット却下のレターが発行されるまでは合法的に働けます。将来永住権申請を計画している場合は、合法的に働いた期間だけが考慮されるのでこの点を理解することは重要です。
次に一時滞在許可証の種類を変更する場合です。例えば、ワーキングホリデービザ保有者がカナダ国内でスターディーパーミットに切り替える場合、新しい許可証が発行されるまで就労を続けることができるでしょうか。この場合は現在のステータスが満期となった時点で直ちに就労を停止しなければならず、スタディーパーミットが発行されるまでは就学も開始できません。インプライドステータスが適用されて合法的に滞在できるものの、新しい許可証が発行されるまでは、その間の活動に制約があることに留意する必要があります。
最後にインプライドステータス中にカナダ国外に出て再入国する場合ではどうでしょうか。例えば、ワークパーミットの延長申請中に出国した場合ですが、出国によって直ちに延長申請が無効になることはありません。再入国の際のシナリオとしては、カナダ不在中に新しいワークパーミットが発行されていた場合はそのまま就労者として入国を許可され、まだ審査が終了していない場合は空港でワークパミットの審査を受けるか、ビジターとして入国を許可(または拒否)されます。ビジターで入国した場合は当然新しいワークパーミットが届くまで就労できなくなります。
以上がインプライドステータスに関して最低押さえておきたい点です。ルールを知らずにうっかり移民法違反を犯していたり、移民局や国境のオフィサーから予期しない対応を受けることがないように注意しましょう。